最優秀賞
夢のくすり工場
ピスタチオ
審査員コメント
そう、そこはくすり工場でした。「1日だけモテるくすり」「宇宙飛行士になれそうなくすり」「宿題がはかどるくすり」。自分でアメを包んで医者でもらう薬入れのようなパッケージを完成させます。受付で待っていると、自分の夢を乗せて作った薬があっちの方からベルトコンベアで運ばれてきて、先生から「犬になるくすりをお待ちの○○さ?ん」と呼ばれてうやうやしく手渡される。なんともアナログでファンタジック。その全体の構成と世界観に味があって、うまい。昨年の審査員特別賞を獲得したピスタチオさんですが、今年もクオリティの高いワークショップが最優秀の評価を受けました。
(中村伊知哉さん)
優秀賞
ヘンテコ影パーティ ~なおやマンとすいそくんと影で遊ぼう!~
なおやマン
審査員コメント
光と影という、普段なにげなく見過ごしているけど、とても面白くて大事なことに、楽しく目を向けさせてくれ、科学に興味を持たせてくれるワークショップでした。なおやマンさんのキャラクターにも負うところが大きいのですが、何故影は自分より大きいのか、自分の影は踏めるのか、どうやったら影がなくなるのか、また影がいくつもできるのか、つきない疑問という科学の入り口に、楽しみながら誘い込んでくれました。
(中井秀範さん)
優秀賞
絵本のような未来の学校教材体験教室
女子美術大学未来教科書プロジェクト
審査員コメント
ランドセルの中の「教科書」が大胆に進化を遂げようとする今、その「未来教科書」を最大限に生かせる教育プログラムが必要です。夢中で体を動かしながらAR技術を学び、iPadに向かって頭をフル回転させる子どもたち。そこには未来のアクティブな学びの空間がありました。教科書や学びの未来を考える重要なプロジェクトに、学生のみなさんが主体的に関わっていることも評価されました。審査員一同「未来教科書プロジェクト」のみなさんに拍手を送りたいと思います。(石戸奈々子)
審査員特別賞
カントク!カオだらけです!~よくみたらヤツがいるThe Video~
長谷海平(日本学術振興協会特別研究員/東京藝術大学)
審査員コメント
車のダッシュボードや、たてもの、コンセント、せんぬき。日常よくみる風景や毎日使う道具をじっと見ていると、なんとなく人間の「顔」に見えてくることがあります。ビデオカメラでクローズアップし構図を考えることで、自分の選んだ「ただの道具」が「キャラクター」になる驚きの瞬間!わくわくして待った上映会では、プロフェッショナルなビデオ作品の中に自分の撮影したキャラクターも登場。
短い時間の中で新しい視点を得、映像リテラシーを学べるワークショップでした。またひとりひとりへの丁寧な指導も印象的でした。
(季里さん)
審査員特別賞
パソコンで「どーもくん」のミニアニメをつくろう
NHKクリエイティブ・ライブラリー事務局
審査員コメント
昨年私は朝日新聞に一票を投じましたが、今年はNHK。NHKライツ・アーカイブスセンターには今まで放送した70万以上の番組が保存されていて、そこから選び出した映像を公開しているサービスがNHKクリエイティブ。地デジが完成し、放送・通信融合がグッと進むべき今年、子どもが放送コンテンツを使って創作するという活動はとても重みを持ちます。NHKが本格的に動いてくれれば、他の放送局やコンテンツ業界など日本全体に広がりを見せるはず。学校でも活動が広がるかもしれません。ぜひ力を入れていただきたいと頭を下げてお願いする授賞です。
(中村伊知哉さん)
審査員特別賞
魔法の言葉 フリクタル☆フラクタル
akebia/中京大学
審査員コメント
まず会場に入って飛び込んで来たのが子どもたちのアクションを引き出そうとしている学生さんの一生懸命さでした。
ワークショップで体験した色んな思いを身体で表現させて、それに魔法の言葉というキーワードを共有しそれを一つの集合体としてビジュアル化する。しかしそれを支えているのは学生と子どもたちのコミニケーションがどこまでいけるかということ。アナログな構成要素とデジタルなビジュアルかの接合がとても興味深かったです。
(土屋敏男さん)
来場者投票賞
「ARチェンジャー ~ARで君も変身だ~
DIT戦隊ARチェンジャー(IAMAS DITコース)
審査員コメント
最近様々な分野で注目を集めているAR(拡張現実)ですが、子供達にもDSのゲームなどで身近なものになっています。そんな子供たちに手書きでヒーローのマスクを描いてもらって、マーカーを額に付けてカメラの前に立つと、自分で描いたヒーローに変身できるという、子供たちにとって非常に楽しくて夢のあるARの使い方でした。ワークショップという、時間と場所(教室内)の制約を見事にクリアしているだけでなく、もっともっと可能性が広がりそうな予感がしました。
(中井秀範さん)
概要
近年、こどもの新たな学びと創造の場として注目されるワークショップ。
「キッズワークショップアワード」は、これらこども向けワークショップの普及・発展を目的に、こどもたちの創造力・表現力を刺激する、独自性のある優れたワークショップを選出し、表彰するものです。前回に引き続き「第9回ワークショップコレクション」出展ワークショップを対象に、 第4回「キッズワークショップアワード」を実施いたします。
今までのキッズワークショップアワード
第6回 / 第5回 / 第4回 / 第3回 / 第2回 / 第1回
対象
こども向けに企画・開発されたワークショッププログラムを対象とします。ワークショップのジャンルや、企業、団体あるいは個人、グループなど実施者は問いません。
審査基準
1.創造性:こどもたちの創造力や表現力を強く刺激する
2.時代性:これからの時代にこどもたちが必要な力や視点を養う
3.独自性:これまでにない新しいアイディアが取り入れられている
審査員
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季里(きり)
ビジュアル・プロデューサー/デジタルアーティスト/女子美術大学教授
大阪教育大学美術学科在学中よりCG作品制作を開始、大阪大学工学部電子工学科研究生を経て1993年株式会社七音者設立。「ハッピー&ラブリーな妄想力で世界中を幸せに!」をモットーに子供番組向けキャラクターやアニメーション制作、ゲームの企画開発を行ってきた。2011年より女子美術大学教授。子供向け絵本アプリとクリエイティブワークショップを組み合わせた活動を展開中。
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中井秀範(なかいひでのり)
吉本興業株式会社執行役員、吉本お笑い総合研究所副所長。1958年、富山県出身。慶応大法学部卒。81年吉本興業株式会社入社、桂三枝、明石家さんま、ダウンタウンらのマネージャーを経て、吉本新喜劇プロジェクトに参加。よしもとファンダンゴ(旧ファンダンゴ)代表取締役社長、吉本音楽出版代表取締役社長などを歴任した。現在は日本音楽事業者協会理事も務める。
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土屋敏男(つちやとしお)
日本テレビ放送網株式会社編成局ぜネラル・プロデューサー 兼 LIFE VIDEO 株式会社代表取締役ディレクター
1979年3月一橋大学社会学部卒。同年4月日本テレビ放送網入社。編成部を経て82年制作局制作部。89年編成局企画センター。91年再び制作局。以降主にバラエティー番組の演出・プロデューサーを担当。「進め!電波少年」ではTプロデューサー・T部長として出演し話題に。このほかの演出・プロデュース番組「天才たけしの元気が出るテレビ」「雷波少年」「ウッチャンナンチャンのウリナリ!」など2005年10月「第2日本テレビ」立ち上げATP特別賞、日本文化デザイン賞など受賞多数。12年7月より現職
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中谷日出(なかやひで)
NHK解説委員
神奈川県出身。東京芸術大学大学院 美術研究科修了。現在NHK解説委員(芸術、IT担当)NHKのロゴマークデザイン他。長野オリンピック 国際発信公式映像監督、ドラマ「DREAM TV 201X」監督など。BS2『デジタルスタジアム』キャスター他、小学校高学年用メディアリテラシー番組『体験!メディアのABC』などのキャスターを、また趣味悠々『デジタルビデオを使いこなそう』、『インターネット活用術』など講師、また解説委員として解説番組を担当。Gマーク選定委員など。著書:『新しい美術はじめましょ。』など。
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中村伊知哉(なかむらいちや)
慶應義塾大学教授
1961年生まれ。京都大学経済学部卒。慶應義塾大学で博士号取得。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策を政府で最初に担当するが、橋本行革で省庁再編に携わったのを最後に退官し渡米。1998年 MITメディアラボ客員教授。2002年 スタンフォード日本センター研究所長。2006年より慶應義塾大学教授。
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石戸奈々子(いしどななこ)
NPO法人CANVAS理事長/株式会社デジタルえほん代表取締役/慶応義塾大学准教授
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、子ども向け創造・表現活動を推進する NPO「CANVAS」を設立。
これまでに開催したワークショップは 3000回、約35万人の子どもたちが参加。実行委員長をつとめる子ども創作活動の博覧会「ワークショップコレクション」は、2日間で10万人を動員する。その後、株式会社デジタルえほんを立ち上げ、えほんアプリを制作中。総務省情報通信審議会委員などを兼務。
著書に「子どもの創造力スイッチ!遊びと学びのひみつ基地 CANVASの実践」、「デジタル教育宣言 スマホで遊ぶ子ども、学ぶ子どもの未来」、「デジタル教科書革命」など。デジタルえほん作家&一児のママとしても奮闘中。
賞の種類
最優秀賞
優秀賞
審査員特別賞
来場者投票賞