心の中のワードマップを描こう！～連想する心・つながる心～

今回扱う心理学的現象は「虚記憶」です。虚記憶とは、実際には見てないものを「見た」と思ってしまうことです。ワークショップでは、最初に実験に参加してもらい、虚記憶を体験してもらいます。体験後に、どうして虚記憶が生じるのかを一緒に考えます。考える時間では、まず心の中の「ワード・マップ（言葉マップ）」を作成してもらい、次にその結果を4～5人のグループの中で共有します。実は虚記憶が生じる原因はこのワード・マップの中にあります（心理学ではこのワード・マップを「スキーマ＝知識の枠組み」と呼びます）。しかし、ワード・マップの中で他者と共通するワードが見えてくると、私たちの普段のコミュニケーションがスムーズに成り立っているのは、実は自分と他者とが異なるワード・マップをもっていながらも共通する部分があるからだということに気づきます。

日本基礎心理学会「心の実験パッケージ」開発研究委員会

この委員会では、心理学やバーチャルリアリティ、メディアアートなど様々な分野の研究者が集い、インタラクティブ技術を取り入れた「体験型心理学教材」を開発しています。体験を通して「脳」と「心」の関係について理解を深めてもらうと同時に、子どもたちの「科学的思考」や「知的探究心」を育むことを目指しています。
http://www.kokorojps.org/